市民病院ニュース

 

12月 1日朝礼  院長談話より

 

院長談話  12月分

 

昨日は寒い木枯らしが吹いて今日はもう12月。師走です。

世界中、政治・経済に木枯らしが吹いていますね。日本の医療の世界にも猛烈な勢いで吹いています。数日前、大阪のある大きな自治体病院が今年度末で閉鎖されることが決まりました。もうこの種のニュースはありふれていて、病気でない国民のほとんどが無関心ですが、なんとかしなくてはいけないですね。だれでも、いつ病気になるか、怪我をするか、事故に遭うかわからないからですね。

政治・経済は私たち医療にたずさわる人間が逆立ちしても、どうにもしようがありませんが、医療をよくするためにはほんの少しだけ役に立つことができますね。

10月1日から始まった私たちの病院再生の試みをしっかり続けることが医療をよくするために地道な貢献となります。

まだ2ヶ月しか経っていませんから、我々の努力がどの程度うまくいっているか評価できる段階ではありませんが、内からも外からも何かが変わったという手ごたえがあります。

冷たい傍観者というものは常に存在していて、これらの人々は変化をもともと望んでいないので、ちっとも変わっていないではないかと批判しますが、むしろ批判している人が変わっていないのですね。

この歩みをしっかり続けましょう。アメリカの新大統領にならって変化を起こしましょう。

さて今月は医師の人事についてうれしいご報告ができます。

10月の黒澤先生、11月の関口先生についで、12月は常勤として安藤先生、非常勤として安斎先生のお二方をお迎えすることができました。

安藤先生には消化器内科および外科を担当していただき、とくに下部消化管の検査にご活躍を期待しています。安斎先生は、貴重な小児科医で、当院には再登板となります。月の前半を担当してくださいますので、これまで月の後半だけしか外来を開けなかったのが、毎日開けるようになりました。

また市民のボランテイアとしていろいろな方面でわれわれを助けてきてくださっている小野さん(もと佐野市の政策審議会委員)が地域医療連携室の顧問としてお仕事をしてくださることになりました。

だんだん活発になってきましたね。これで11月26日の佐野医師会定例会で提言した「合同診療」が実現の方向に向かえばもっと活発な活動ができます。医師会からの反応が楽しみですが、その前提には当院の一般病床の開棟という壁があります。一致協力してこの壁を乗り越えましょう。今年もあと1ヶ月、無事故無違反の記録を伸ばしましょう。  

 

以上

 

                      院 長  l正行

 

 

 

 

 

 

11月 4日朝礼  院長談話より

 

院長談話  11月分

 

朝夕めっきり寒くなりましたね。

風邪などひかぬよう大事にしましょう。またインフルエンザの予防接種も全員うけるようにしましょう。

 民営化してちょうど1か月経ちました。皆さん手ごたえはどうですか?

現場の指揮者としての院長からみると、職員が大変元気になって、表情も明るくなり、仕事ぶりがテキパキしてきたと、大変良い感触を得ております。

 10月1日に赴任された黒澤医師についで、関口医師が11月17日に常勤医師として赴任されます。その結果今月中に常勤医7名の体制になります。また非常勤医師の白矢医師が「腎臓内科外来」を毎週水曜日午後に担当されますので、「糖尿病・腎センター」の活動も、眼科、血管外科の参加もあって、より充実いたします。

市民の皆様の反応はどうだったでしょうか? 診療上の大きなトラブルもなく、建設的な苦情の投書が1件あったのみで、まずは順調な滑り出しと考えております。

 

市民からの苦情の投書はたいへんありがたくおうけしましたが、残念なことに無記名でありました。そのため、事実の調査が困難であり、直接お答ができませんでしたので、この場をかりてお答えいたします。

 

 投書の内容を完全に再掲します。

 「<夜間の急病患者に対しての対応の悪さ!!>

  市民病院にかかりつけで、カルテがあるため、まっ先に連絡してみたが、症状を聞いて、当直の医師が専門でないとのことで、とりあえずの来院もさせてくれない!

とりあってもくれない!! 他の病院へ と言われても、市民から言わせてもらえば、カルテがある病院で応急の診察をして無理なようなら病院のほうから他院への連絡、紹介、転院をさせてもらいたい。もっと患者、市民の立場になって下さい!」

平成20年10月26日(日曜日)」

院長からの回答

 まことにもっともなご意見で、院長もこのようなことが起こらないように毎日指導しているところです。

当院では患者様の一次救急は原則としてお断りいたしません。とくに、かかりつけの患者様については極力受け入れ態勢をとっており、入院が必要で、かつ受け入れが可能な場合は入院対応もしております。

 2次救急は現在指定を外れておりますので、原則的にはお断りいたします。

今後も患者様の立場にたった病院づくりに職員一丸となって努めてまいりますので、宜しくお願い申し上げます。                   

以上

 

                      院 長  l正行

 

 

 

 

 

 

10月 1日朝礼  院長談話より

 

院長談話  10月分

 

新しい出発にあたって

 

何年間にもわたる、生みの苦しみを味わった末、今日、佐野市民病院が新たに生まれ変わりました。栃木県ではじめて、公設・民営の形態に移行したのであります

難産のすえに生まれた赤子のような病院です。私たちの手で大切に育てまいりましょう。決して未熟児ではありませんが、小さく産まれましたので、大きく育てましょう。この病院を育てていくには、育児法のマニュアルがあるわけではありません、今日からはすべて、厳しい現実にぶつかりながら、手探りで、そして手造りで、創造して行くのです。

今日この日が実現するにあたっては、じつに多くの人々の支援がありました。

 多くの市民をはじめ、市長をはじめとする行政、議会、地元医師会、多数の大学の医学部の教官、病院存亡の危機にあたって、遠方からおっとり刀で駆けつけて、診療に、当直業務にあったてくれた数多くの医師、そのほか、利害関係の全くない多くの人々(これは私たちが義しいことを行おうとしているということだけで応援してくだっさった人々です)、これらすべての人々の力の結集のたまものであります。

 ここに、改めて、深い感謝の気持ちを表したいと思います。

ほんとうにありがとうございました。

 

 新しい出発にあったって、私たちが何を目指して、どのように仕事をして行くのか、はっきりと自覚しましょう。すなわち、私たちの 理念、基本方針、具体的目標をしっかり見定めましょう。

 

私たちの理念:市民に愛され、信頼される病院。言い換えれば地域社会の基盤となり社会に貢献する病院であること。 

 

基本方針:1.患者さんを中心においたチーム医療

     2.安全で質の高い医療

     3.地元大学病院をふくむ地域医療機関との連携と役割分担

     

 

 患者さんを中心にするということは、マニュアルどおり、そつなく、能率よく、十把ひとからげ、患者さんをさばくのではなく、ひとりひとりの患者さんを、ひとりひとり大切にするということです。あたかも、すべての患者さんをただ一人の患者さんであると考えて、心をこめて治療するということです。

そして、各自がプロフェシヨナルとしての誇りをもち、自分の知識・技術を常にみがきあげ、存分に発揮する姿勢を貫くことが必要です。また、毎日毎日、仕事のやり方を改善し、システムを整えて行くことを習慣にしましょう。

具体的な目標を掲げて、常に足元に気を配りながら、登山をするような心構えで一歩一歩前進しましょう。

これから新たに実現したいこと、しなければならないことは、実に数多くありますが、当面、短期間で実現するべき具体的な目標が2つあります。

1.       10人あまりの看護師を新たに確保して一般病棟を1棟開棟する。

これにより入院治療における地域の医師との合同診療体制を確立する。

2.       オーダリングシステムを導入して、日常業務を、正確、迅速に処理し、無駄な労力と時間を省く。IT化を推進することにより佐野市のへき地診療所への支援を強化する。

   

 

結び:さあ、今から新しいステージがはじまります。皆そろって元気よく出発しましょう。

 

               以上   

 

                      院 長  l正行

 

  

 

平成19年10月より白内障手術と腹腔鏡下手術を再開します

 

腹腔鏡下手術とは?

 一般に患者さんにお腹の手術をする必要がある場合、お腹を切開して手術を行う従来の開腹手術のほかに、お腹を大きく切開せず小さな傷口を通して同じ手術ができる場合があります。この手術方法は腹腔鏡下手術と呼ばれ、1cm程度の傷口から挿入した内視鏡でお腹の中を観察しながら、特殊な器械を使って手術をするものです。日本では15年ほど前から行われるようになりました。現在、胆嚢結石症を皮切りに、総胆管結石、脾臓の腫大、腸閉塞、胃がん、大腸がんなど病名の患者さんに、症例を選んでこの手術が行われています。

この腹腔鏡下手術は多くの利点を持つ手術法です。まず傷口が小さいため術後の痛みが少なくなります。また術後の回復が早いため、入院期間も短くなります。さらに傷口の小ささから美容上も好ましいなどの効果も得られます。場合により入院費用が安くなることもあるのです。

佐野市民病院では、この平成19年9月から、この腹腔鏡下手術を全面的に行えるように準備がととのいました。当院では、最新式のオリンパス社製の腹腔鏡器械を導入し、全国でもトップクラスの設備を誇ります。手術には、佐野市民病院の経験豊富な熟練外科医師陣があたります。この新しい方式による腹腔鏡下手術を希望される市民の皆さんは、是非一度佐野市民病院にお問い合わせください。

ひとつ注意しなければならないことは、この腹腔鏡下手術はどの患者さんにも必ず行えるとは限らないことです。まず診断名を元に、病気の部位やそれぞれの患者さんの全身状態に合わせて手術の様式を決定し、その術式が腹腔鏡で行えることかわかった場合にはじめて行えるのです。したがって腹腔鏡下手術を希望する市民の皆さんは、まず外来での十分な検査を受けてこの手術を受けることができるのかどうか、確認する必要があります。

ぜひまずは市民病院の地域医療連携室までお問い合わせください。

佐野市民病院はこれからも市民の皆さんの健康の回復をお手伝いすることによって、市民生活に貢献していきます。

 

外科医師 下村 一之

院 長  l正行

 

 

 

ワンポイントアドバイス

 

下肢静脈瘤とはどんな病気か?

 

下肢静脈瘤とはどんな病気か?

下肢(足)の静脈が太くなり目立つようになるため外見が気になったり、だるさなどの様々な症状を引き起こす疾患で、比較的多い病気です。年齢を経るごとに多くみられ、程度の軽いものも含めると50歳代で約半分の人にあり、やや女性に多いと言われています。出産を契機に認めるものや、立ち仕事の経験のある人にも多いものです。

静脈は血液が体の端々から心臓に戻るための通り道となる血管で、下肢では重力による逆流を防ぐため、静脈内の所々に逆流防止弁が備わっています。しかし、静脈瘤となっている静脈ではこの逆流防止弁がきちんとはたらいていないため、血液が逆流して流れが滞ります。初めは下肢の静脈や毛細血管の拡張、下肢のだるさ、ふくらはぎのこむら返りなどがみられ、進行すると静脈炎、皮膚の色素沈着、潰瘍などを生じることがあります。下肢の静脈は皮膚の下を通る表在静脈と、筋肉の間の深部を通り太めの深部静脈に大きく分けられます。また、深部静脈から表在静脈に筋肉を貫いて交通する枝を穿通枝といいます。通常の静脈瘤ではこのうち表在静脈と穿通枝のどこかに血液の逆流があり、超音波検査や静脈造影検査等により逆流の場所を診断できます。

 

どんな治療法があるのか?

 

1)弾性ストッキングによる圧迫治療

市販のストッキングよりも締め付けの強い弾性ストッキング(医療器具)を着用して圧迫により血液のうっ滞を解除します。根治することはありませんが入院の必要がなく、多くの場合症状の改善が可能です。

 

2)ストリッピング手術(静脈の抜去)

主に下半身麻酔下に表在静脈内にストリッパーという専用のワイヤーを挿入し、静脈をワイヤーと共に引き抜きます。血液は残っている深部静脈から心臓に戻りますので心配ありません。

 

3)硬化療法

硬化剤というお薬を静脈内に直接注射し圧迫することにより、逆流している静脈を閉塞させる治療です。穿通枝の逆流や細い表在静脈瘤に対しては効果的です。

 

佐野市民病院では血管の専門家が診療にあたってておりますのでお気軽にご相談ください。お問い合わせは佐野市民病院の地域医療連携室まで。

 

                    血管外科 浦部 豪

                    院 長 l 正行

 

 

 

夏かぜと夏ばてについて 

 

夏 は、寝冷えとか冷房のききすぎなどで、嘔吐や下痢をともなうかぜをひくことがあります。漢方では、夏のかぜは、冬にひくかぜと違って「湿」をともなうもの が多いと考えています。かぜのような感染症は「邪」(西洋医学で言えば病原体)が起こすと考え、邪の性質に「寒、熱、燥、湿、それに熱の仲間である暑、 火」の区別があるとしています。冬は単純な寒と熱が原因となりますが、夏に は湿がからんだ寒湿、暑湿がかぜを引き起こすと考えるわけです。そこで昔から湿に配慮した薬が工夫されています。残念ながらこれに相当するエキス剤はあり ませんので、生薬となります。保険がきく生薬ですので、煎じて飲んでください。
 夏ばてには「清暑益気湯」というエキス剤があります。暑邪を除去し、気を補う薬です。これでだめなら、別の薬を考えます。

 

                  漢方外来 新井紀元医師

 

 

乳癌について         

 

近年わが国における乳癌の罹患率(りかんりつ:発病率)、死亡数は著しい増加傾向にあります。この背景には食生活の欧米化、晩婚化、初産年齢の高齢化などがあるだろうとされています。現在女性の癌罹患率をみると大腸癌についで乳癌が2 位で、毎年およそ3万5千人の方が乳癌と診断されています。今後さらに乳癌の発生が増加することが予測されています。乳癌年齢階級別罹患率は30〜40歳 台にかけて急上昇します。他の癌と異なり、比較的若い時期から罹患する癌であるとも言えます。しかし高齢になれば乳癌の発生が減るわけではありません。他 の癌と同様、乳癌の発生は多くなる傾向にあります。
 乳癌を克服するためにはこれを早期発見することが一番大切です。腹腔内の臓器 の癌に比べ、乳癌は体表にあり、目で見たり、触れてみたりすることができ、発見しやすい癌です。自己検診で何か異常を感じたら専門家に診てもらうことが大 切です。早期に乳癌を発見し治療するために、一定の年齢に達すれば、定期健康診断を受けることをお薦めします。
 乳腺の病気には乳癌の他に、乳腺症、乳腺線維腺腫、乳腺炎など乳癌と紛らわしい病気がいろいろあります。乳癌を見つけるには触診が重要ですが、確定診断に至るには超音波検査、マンモグラフィー、MRI検査などを行い、細胞診、病理診断など段階を踏んで行います。
 ここ10 数年の間に乳癌の治療法は大きく変わりました。かつては乳癌と診断されれば、乳房全体とその周りの筋肉を大きく切除する方法がとられていました。現在は、 乳癌は全身病であるという考えから、手術は縮小する方向へ向かっています。乳房温存術が広く行われ、手術と組み合わせて、放射線療法や化学療法を行う集学 的治療が行われることが多くなっています。
 今わが国では癌治療の標準化が進められています。乳癌はその中でも最も早くからガイドラインの作成が計られ、標準治療の普及に力が入れられています。標準治療は現在の時点で最も効果的であると科学的に証明された治療法のことです。
 当院では地域の方々の乳癌の早期発見、標準治療、乳癌以外の乳腺疾患の診療を行うために乳腺外来を設置しています。毎週木曜日の午後に行っています。乳腺に関して何かご心配な方は是非健診のつもりでお気軽に受診してください。

 

                 乳腺外科外来 村田宣夫医師